太ももの付け根「鼠径部(そけいぶ)」にしこりや痛みがある場合は何かの病気のサイン?
鼠径ヘルニアかも?と思った時にどうしたらよいか?を考えてみましょう。
鼠径部に痛みがある場合に疑われる病気
まず鼠径部に痛みがある場合に疑われる病気についてご紹介します。
鼠径部(そけいぶ)で起こる代表的な病気としてあげられるのが「鼠径(そけい)ヘルニア」です。
この鼠径ヘルニアは、本来はお腹の中にある腸などが鼠径部から皮膚のすぐ裏側まで飛び出てくる病気です。鼠径ヘルニアは、一般的に「脱腸」と呼ばれる病気です。
鼠径ヘルニアの主な症状は、鼠径部にしこりのようなやわらかい膨らみがあらわれることです。その膨らみは手で押したり横になったりすると引っ込みます。
次にあげられるのが「リンパ管炎」という病気です。
このリンパ管炎とは、細菌がリンパ管に入り込んで感染することにより起こる炎症のことを意味します。鼠径部に痛みがともなう場合は、鼠径部に元々あるリンパ節が炎症によって腫れていることが考えられます。
このリンパ管炎の主な症状は、感染した腕や脚の皮膚に鼠径部、頸部(くび)、脇の下などのリンパ節に向かって伸びる不規則な赤い線があらわれるのが特徴です。
その他、女性においては鼠径部に痛みを伴うことで分かることが多い病気『子宮内膜症』などが疑われる病気としてあげられます。
脱腸の症状とチェックすべきこと
脱腸(鼠径ヘルニア)の初期症状は、太もものつけ根「鼠径部」にできるポコッとしたふくらみがあげられます。
鼠径部のポコっとした膨らみや痛みは、本来お腹の中にあるべき腸がすき間を縫って脱出したため症状として現れています。
このふくらみは立ち上がったり、重いものを持ち上げたりとお腹に力が加わったときに出やすい傾向にあります。
一方、手で押したり横になったりすると、ふくらみは引っ込んでしまうことが多いです。
その為、症状はありながらも放置される患者さんも少なくありません。
脱腸の症状としては、上のチェックシートをご覧ください。
脱腸を放置すると…?命に危険が及ぶ状態「嵌頓(かんとん)」
脱腸は初期症状として痛みがなく、日常生活に支障がないことから、受診を先送りにしてしまいがちな方も少なくありません。
ですが、脱腸を放置しておくと、命に危険が及ぶ状態「嵌頓(かんとん)」を起こす可能性があり、とても危険です。
嵌頓とは、脱出した腸が詰まってしまい、お腹の中に戻らなくなる状態をいいます。
この嵌頓になると、詰まってしまった腸への血流が止まり、腸は壊死・腐ってしまいます。
そして腸に穴が開き、腸内にあった便汁などの内包物が漏れ、腹膜炎を引き起こす可能性があります。
この腹膜炎を起こしてしまうと、緊急手術が必要となり、命に危険が及ぶ場合があります。
嵌頓はいつ起こるかは分かりません。そのため鼠径ヘルニアは症状がある場合、早期に治療をすることが重要です。
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