鼠径ヘルニアについて傷が一つでお腹に入らない鼠径ヘルニア手術「SILS-TEP法」とは?

患者ファーストを追求した術式SILS-TEP法の5つの特徴

切開は1箇所、たった2cmだけ

おへその傷は術後にはほとんど目立たなくなるほど、わずかの傷口で済みます。

出血量がほんのわずか

当院が行うSILS-TEP法では、内臓には触れずに手術を行うため、ほとんど出血がありません。

再発率が低い

当院の手術では、脱腸の再発リスクとなる原因をすべて解消するための特殊な医療用のメッシュで脱出口(原因となる筋肉のすき間)を覆うため、再発率が非常に少なくなっています。

手術当日は平均4時間で帰宅できる

手術は全身麻酔下で行い、眠っている間に1時間程で終わります。この術式ですと傷口が小さくて済むため、状態によりますが、手術後1時間程度で歩行ができ、平均術後2時間ほどで帰宅が可能です。

最短翌日に通常の生活に復帰できる

日帰り手術ですので、当日中に帰宅し、翌日からいつも通りの生活や仕事復帰が可能です。

なぜ、再発を防げるのか?


鼠径ヘルニアの手術は、脱出した腸をお腹に戻す手術です。
脱出した腸をお腹に戻した後、医療用のメッシュで脱出口(原因となる筋肉のすき間)を覆います。この医療用メッシュで、脱腸リスクが高いとされている3箇所のすき間を完全に覆うため、腸が離脱できないようになります。メッシュは長年手術で使用実績があり安全性が確立されたポリプロピレンという材質を使用しています。

手術で使用するメッシュ。円錐形で横幅が15cmほどあります。

早期の社会復帰を可能とする腹腔鏡(ふくくうきょう)法

鼠径ヘルニアの手術の術式は、大きく分けて2つ方法があります。

一つは鼠径(そけい)部を5~6cm切開をする鼠径部切開法です。もう一つは腹腔鏡を用いる腹腔鏡法です。腹腔鏡法は、手術による身体へのダメージが少ないため、早期の社会復帰が可能と言われています。

Gi外科クリニックでは、患者さんの身体へのダメージを考慮して腹腔鏡法を採用しています。


より安全でより体の痛みが少ない術式 “傷が一つでお腹に入らない鼠径ヘルニア手術”(SILS-TEP法)

Gi外科クリニックが採用する腹腔鏡法においても、2種類の方法があります。

まず一つ目は腹腔内(お腹の中)に入り、腹膜(内臓を包む膜)を開けて腹壁を修復する方法(TAPP法)です。近年の報告(2013年)では、鼠径ヘルニアの腹腔鏡下手術の約75%はこの方法です。


二つ目は、腹腔内には入らず、腹腔外で腹壁を修復する方法(TEP法)です。TEP法は鼠径ヘルニアの腹腔鏡下手術の約25%となっています。
なお、通常の腹腔鏡下手術では3つの穴(1cm以下)を開けてカメラと専用の鉗子(かんし)類を用いて操作を行います。

Gi外科クリニックでは、より安全でより身体への負担が少ない術式を検討し、通常の腹腔鏡法をもう一段階進化させました。それが、お臍(へそ)の中に1カ所だけ穴をあけて手術を行う、“傷が一つでお腹に入らない鼠径ヘルニア手術(SILS-TEP法)”です。

鉗子(かんし)…組織・異物などを挟んだり、牽引したりする際に使用します。

手術は全身麻酔下で行いますので、眠っている間に、1時間程で終わります。
この術式ですと傷口が小さくて済むため、状態によりますが、手術後1時間程度で歩行ができ、翌日より家事・仕事が可能です。合併症がほとんどなく再発率の極めて低い治療法で、おへその傷は術後にはほとんど目立たなくなります。


患者さんの早期の社会復帰を目指すための治療

Gi外科クリニックでは、日帰り手術のみを提供します。

日帰り手術を可能とするには、低侵襲性(体への痛みが少ないこと)と安全性がより一層担保される必要があると考えています。腹腔鏡下で行う鼠径ヘルニアの手術は低侵襲性から早期の社会復帰が可能と言われています。

そして、鼠径ヘルニアそのものが、腹壁が弱くなって発生する病気です。よって腹腔内操作(内臓に触れてしまうお腹の中での操作)を必要とせず、腹壁内のみの操作で弱くなった部分を含む腹壁を広く補強できる術式であるTEP法、そして、より低侵襲化を目指した“単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(SILS-TEP法)”が患者さんの早期の社会復帰に最も適していると考えました。
Gi外科クリニックは、患者さんの早期の社会復帰を目指して“傷が一つでお腹に入らない鼠径ヘルニア手術(SILS-TEP法)”を日帰り手術として提供するクリニックです。

プロ外科医も注目する日本でも随一の手術方法

当院には海外や日本各地の外科医が見学に来て、当院の術式を学びに来ております。



カイザー・パーマネンテ南カリフォルニアのHector Arroyo Jr., MD氏

カイザー・パーマネンテ南カリフォルニアの
Hector Arroyo Jr., MD氏




タイのPawan Chansaenroj先生

タイのPawan Chansaenroj先生




タイのPawan Chansaenroj先生

名豊病院 ヘルニアセンター病院長
日本ヘルニア学会の前理事長 早川 哲史 医師



我々が「傷が一つでお腹に入らない日帰り手術」にこだわる理由


私がこの手術法に込めた想い

鼠径ヘルニアの手術と聞き、「仕事は何日休むのか」「術後の痛みはどれくらいか」「傷跡は目立たないか」など、様々な不安が頭をよぎるのは当然です。Gi外科クリニックは、その不安に寄り添い、身体への負担を最小限に抑えた「日帰り手術」に特化しています。

我々の使命は、手術という非日常があなたの日常を極力乱さないことです。

その鍵となるのが、お腹の中の内臓に一切触れない「TEP法」という術式です。鼠径ヘルニアは腹壁に穴が開く病気です。お腹の壁の中だけで手術を完結させる「TEP法」は、身体への負担が少なく、早期の社会復帰を可能にします。内臓に触れないことで、内臓損傷の可能性が低く、術後の腸管運動への影響も少なく、腸閉塞などの合併症リスクも限りなく抑えられます。

これは日帰り手術の安全性を担保するための、我々の絶対的なこだわりです。

さらに我々は、現状に満足せず、究極の優しさを追求し、お臍の僅かな傷一つで完結する「SILS-TEP法」を標準術式としています。痛みが少ないだけでなく、傷跡がほとんど分からなくなる美容的な側面まで配慮すること。それこそが、患者さんファーストの実践です。

我々の全てのこだわりは、あなたが一日でも早く、安心して元の生活に戻り、「手術を受けて本当に良かった」と笑顔になっていただくため。

あなたの貴重な時間と健康な未来を守ること。その想いを、この術式に込めています。