鼠径ヘルニア完全ガイド

鼠径ヘルニア

Gi外科クリニック医師らのSILS-TEP研究が国際医学誌に掲載されました

Gi外科クリニック医師らのSILS-TEP研究が、国際医学誌Asian Journal of Endoscopic Surgeryに掲載されました。
1,500例のデータから、鼠径ヘルニア日帰り手術を安定して提供するための指導体制と技術継承について解説します。

今回の研究テーマは、
単孔式腹腔鏡下完全腹膜外鼠径ヘルニア修復術、いわゆる SILS-TEP についてです。

SILS-TEPは、鼠径ヘルニア、いわゆる脱腸に対する腹腔鏡手術の一つです。

当院では、患者さんにわかりやすく説明する際に、
傷が1つで、お腹に入らない鼠径ヘルニア日帰り手術
とお伝えすることがあります。

今回の論文では、1,500例の手術データをもとに、SILS-TEPをより安定して提供するために必要な手術経験や指導体制について分析しました。


医師が鼠径ヘルニアの図を持っています。

岡山院 院長 鎌田陽介


掲載された論文について

今回掲載された論文は、以下の内容です。

論文タイトル
複数の外科医における単孔式腹腔鏡下完全腹膜外鼠径ヘルニア修復術(SILS-TEP)の学習曲線分析:大規模CUSUM評価

著者
Yosuke Kamada, Kumiko Akashi, Nobuhito Kubota, Akira Endo, Yoshihiro Ikeda

掲載誌
Asian Journal of Endoscopic Surgery

論文の種類
原著論文

この研究では、2021年5月から2025年12月までに行われた、片側の鼠径ヘルニアに対するSILS-TEP手術1,500例を対象に分析しています。
6人の外科医が、それぞれ250例ずつ手術を行い、手術時間の変化をもとに、どの時点から手術が安定してくるのかを調べました。

SILS-TEPとはどのような手術か

SILS-TEPは、鼠径ヘルニア、いわゆる脱腸に対する腹腔鏡手術の一つです。

当院では、患者さんに説明する際に、
傷が1つでお腹に入らない鼠径ヘルニア日帰り手術
と表現することがあります。

SILS-TEPの特徴は、主に次のような点です。

・おへその小さな傷ひとつから手術を行う
・お腹の中に入らず、腹膜の外側から修復する
・メッシュを使って、弱くなった部分を補強する
・傷が少なく、整容面にも配慮しやすい

患者さんにとっては、傷が少ないことや、体への負担を抑えやすいことが期待される手術です。

一方で、外科医にとっては、決して簡単な手術ではありません。
通常の腹腔鏡手術よりも、器具同士がぶつかりやすく、限られたスペースで細かな操作を行う必要があります。

つまりSILS-TEPは、
患者さんにとっての負担軽減が期待できる一方で、医師側には高い技術と経験が求められる手術
といえます。

今回の研究で大切にしたこと

今回の研究で大切にしたのは、単に手術件数を示すことではありません。

SILS-TEPを安定して提供するためには、医師個人の経験だけでなく、
手術手順の標準化、経験豊富な医師による指導、チーム全体での技術共有
が重要です。

今回の論文では、複数の外科医がSILS-TEPを経験していく過程を分析し、どのようにすれば手術の質を安定させていけるのかを検討しました。

これは、患者さんにとっても大切な意味があります。

手術を受ける際には、
「どの手術方法か」だけでなく、
その手術を安定して行うための体制が整っているか
も重要だからです。

1,500例のデータからわかったこと

今回の研究では、合計1,500例のSILS-TEP手術を分析しました。

その結果、経験を重ねることで、手術時間が短縮し、手術の流れがより安定していくことが確認されました。

また、経験豊富な医師による指導体制や、手術手順の標準化が、SILS-TEPを安定して提供するうえで重要であることが示されました。

つまり今回の研究は、
SILS-TEPという手術を、より安全に、より安定して患者さんへ提供するための仕組みを検討した研究
といえます。

患者さんにとって大切なこと

鼠径ヘルニアの手術を検討される患者さんにとって、気になることは多いと思います。

たとえば、

・日帰りで手術できるのか
・傷はどれくらいなのか
・痛みはどの程度なのか
・仕事や生活にはどれくらい影響するのか
・再発の心配はないのか

といった不安があるかもしれません。

もちろん、手術方法そのものも大切です。

しかし、それと同じくらい大切なのが、
その手術を安定して提供するための体制
です。

Gi外科クリニックでは、鼠径ヘルニアの日帰り手術に専門的に取り組み、手術手順の標準化やチームでの技術共有を大切にしています。
患者さんが安心して治療を検討できるよう、医学的な根拠に基づいた診療と、わかりやすい説明を心がけています。

手術の目的は、ふくらみを治すことだけではありません

鼠径ヘルニアの手術の目的は、足の付け根のふくらみを治すことです。

しかし、患者さんにとって本当に大切なのは、その先にある生活だと考えています。

たとえば、

・ふくらみを気にせず過ごせること。
・仕事や日常生活を大きく止めずに治療を終えること。
・「このままで大丈夫かな」という不安を減らすこと。


鼠径ヘルニアは自然に治る病気ではありません。
痛みが少ない場合でも、足の付け根のふくらみが気になっている方は、一度ご自身の状態を確認することが大切です。

まとめ

このたび、Gi外科クリニックの医師らが関わったSILS-TEPに関する研究論文が、海外の医学誌 Asian Journal of Endoscopic Surgery に掲載されました。
今回の研究では、1,500例の手術データをもとに、SILS-TEPを安定して提供するための経験や指導体制について分析しました。
SILS-TEPは、傷が1つで、お腹に入らない鼠径ヘルニア日帰り手術として、患者さんにとって負担を抑えた治療選択肢の一つです。

一方で、安定した手術を行うためには、手術手順の標準化、経験豊富な医師による指導、チーム全体での技術共有が重要です。
Gi外科クリニックでは、これからも鼠径ヘルニアに悩む患者さんが、安心して治療を検討できるよう、専門性と安全性を大切にした診療を続けてまいります。


鼠径部の違和感が気になっている方は、
「今すぐ手術が必要か」ではなく、
「一度、専門医に状態を確認してもらうべきか」
という視点で考えてみてください。

鼠径部の違和感があり、
「もし手術になったら入院が必要なのでは」と不安に感じる方も少なくありません。

実際には、鼠径ヘルニア(脱腸)の治療には
【入院をせず、日帰りで行う手術という選択肢】もあります。

▶ 日帰り手術という選択肢について詳しく見る

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この記事を監修した人


日本外科学会専門医/日本外科学会指導医/日本消化器外科学会認定医/日本ヘルニア学会鼠径部ヘルニア習得医
年間1000人以上の鼠径ヘルニア手術を担当および監修。安全で体へのダメージや再発が非常に少ない術式〈単孔式腹腔鏡下鼠径(そけい)ヘルニア根治術(SILS-TEP法)〉を行う日本有数のドクター。
外科医向けの鼠径ヘルニア手術の教科書を多数執筆する他、主な著書に『1日で治せる 鼠径ヘルニア読本』 合同出版/2024年2月刊/『ヘルニアの外科』(共著) 南江堂/2024年10月刊などがある。

Gi外科クリニック 理事長・医師 池田 義博

Gi外科クリニックへご相談ください

鼠径ヘルニア専門クリニック「Gi外科クリニック」では、岡山院(岡山市)、京都院(京都市四条烏丸)、阪神院(西宮市西宮北口)で中四国、関西を中心に鼠径ヘルニアの患者さんを治療しています。

鼠径ヘルニアという病気は、放置しておくと時に命に危険が及ぶ「嵌頓(かんとん)」を起こす可能性があります。
そのため、鼠径ヘルニアの症状がある場合は痛みの有無に関わらず、早期治療をおすすめします。

鼠径ヘルニアの症状がある方はお気軽に当院を受診ください。

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また受診はためらうけど症状が気になる方のための無料相談窓口も設けています。
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