日帰り手術について治療の流れ

鼠径ヘルニアの治療について、初診から術後までの治療の流れについて説明します。



初診月~金曜日 午後2時から6時

初診時にしっかり問診、診察を行い、日帰り手術ができるかどうかを判断します。手術が可能な場合は必要な術前検査(採血・レントゲン検査・超音波検査・心電図など)を行います。この段階で、手術日を仮押さえします。初診の診療の流れは下記の通りです。

問診

看護師が症状について、お話を聞かせていただきます。

診察(視診/触診)
  • 問診の内容を参考に、医師が診察させていただきます。患部が見えるように衣服をずらしていただき、立った状態での患部を診ます。
    ※服を脱ぐ必要はありません。
    ※女性の方には、必ず女性スタッフが立ち会い、サポートいたします。
  • 患部の状態を確認するため、医師が軽く手で抑えますので、痛い場合は遠慮なくおっしゃってください。
診察(超音波)

ベッドに横になっていただき、超音波(エコー)で、より詳しく患部の状態を確認します。


2回目受診月~金曜日 午後2時から6時

初診時の診察と検査結果をもとに診断し、治療方針を選びます。

手術の説明を行い、ご本人の意思で同意されましたら、同意書を作成し手術日を最終決定します。その後、スタッフが手術当日までの生活や、手術日の流れ、術後の注意点などをしっかり説明させていただきます。

※日帰り手術のパンフレットを差し上げます。帰宅後に日帰り手術の1日の流れを再度ご確認ください。
※手術日は、いつでも電話で変更することが可能です。その場合はなるべくお早めにご連絡ください。
※手術を受ける上で知っておいていただきたいことをまとめた動画がございますので、手術までにご覧ください。



手術までの期間

手術前日まで、食事は普通にとってかまいません。お酒は控え目にしてください。特にタバコは術中・術後の状態に悪影響を与えますので、手術日決定以降は必ず禁煙してください。


手術当日

来院前

起床時より絶食です。飲水(お茶、お水)は少量であれば手術3時間前までは可能です。
来院はご自身の運転でもかまいませんが、術後帰宅時にご自身での運転は出来ません。そのため、公共交通機関のご利用か、出来ればご家族の方の付添をお願いします。

術前

来院後、手術着に着替えて頂き、スタッフが手術室にご案内します。麻酔は手術室で行いますので手術室には歩いて入室します。麻酔について不安な方は下記より動画をご覧ください。


手術

鼠径ヘルニアの手術は平均約1時間で終わります。手術直後より意識は戻っていますが、安全のためベッドに寝たまま回復室に移動します。

術後

術後、十分に麻酔から覚めた時点で飲水を確認します。以後、飲水や軽いお食事を摂って頂けます。この段階で、ほとんどの方が自力で歩行できますので、ご自身でトイレに行くことが可能です。
痛みのある方は痛み止めを適切に使用し、痛みをコントロールします。

診察(手術結果報告)/退院

院長が診察し、手術結果もご説明します。当院では12項目の帰宅基準を定めています。この基準をクリアすれば退院となります。

帰宅
  • 帰宅後は、普通に食事ができます。(吐き気などで当日夜はスープなどしか摂れないこともあります)
  • 帰宅後は術後の痛みは内服の鎮痛剤や坐薬で十分にコントロールできます。帰宅後も24時間医師と連絡が取れる体制にしていますのでご安心ください。
  • 手術当日の朝に体調が悪いときは遠慮なく電話でご連絡ください。状態に応じて手術日を延期します。

手術翌日

院長から電話で経過を確認させて頂きます。気になることがあれば何でもご相談ください。この際、手術翌日の痛みを5段階評価でお聞きします。

次回の受診日までに痛みが気になるなど、急な事がありましたらいつでもご来院ください。すぐに対応させていただきます。


術後

退院当日はシャワー浴程度、その後は普通に入浴可能です。お臍(へそ)の傷には防水シートを貼っていますので心配はありません。

傷の消毒は必要ありません。防水シートは次回受診日に剥がしますが、かゆみ等が辛い場合は、術後4日目にはご自身で剥がしていただいても問題ありません。(傷は48時間で閉鎖するというデータがあります)

食事、トイレは通常通り可能です。

個人差はありますが、手術翌日あるいは翌々日から職場や学校に復帰できます。(術後経過には個人差もあり、社会復帰の時期が遅れることもあります。)

一般的に退院直後は激しい運動は控えて頂きます。激しい運動は手術後2週間くらいから身体の調子に合わせて始めてください。


手術後は、原則として1週間・1か月・6か月後・12か月後に来院して頂きます。(遠方の方や通院が困難な方は、御相談させていただきます)。

鼠径ヘルニアの日帰り手術は、一般的な治療と比較して受診の回数が少ない分、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係をしっかりと築くことを重視しています。

不安な点、ご質問はどの段階でもお気軽にお申し出ください。