専門医が答える鼠径(そけい)ヘルニアQ&A

鼠径ヘルニアの手術を受けることになったのですが、腹腔鏡手術か切開手術のどちらを受けるか迷っています。
どちらがおススメでしょうか?

鼠径ヘルニアの手術を受けられるとのことで、ご心配だと思います。

鼠径ヘルニアは筋肉や筋膜で形成される腹壁の病気です。
腹壁の一部が弱くなり、そこから内臓を包む腹膜という袋が飛び出し、その中を内蔵(主に腸管)が出たり入ったりする病気です。

したがって、手術は腹壁の弱くなった部分を補強します。

現在最も多く行われている術式は、鼠径部切開法という鼠径部に約4cmほど切開を加え、お腹の中に入らず、弱くなった部分にメッシュを当て補強します。

他の術式として、腹腔鏡を用いる方法もあります。腹腔鏡を用いる方法にも2種類あります。イメージしずらいかと思いますが・・。

TAPP法:腹腔内に入り、腹膜を切開し、腹壁の弱くなった部分を腹腔側からメッシュを用いて補強します。
TEP法:腹腔内には入らず、腹壁の裏で手術操作を行い、弱くなった部分にメッシュを用いて補強します。

TAPP法
TEP法

TAPP法以外は腹腔内に入ることなく、腹壁を補強する手術ですので、体への負担(ダメージ)は、消化管(胃癌、大腸癌など)の手術よりは少ないです。

当院ではTEP法でかつ切開をお臍の中1か所のみとした、単孔式TEP法を提供しています。最も負担が少ない方法と考えています。
そのため、午前中に手術を行い、お昼過ぎには歩いて帰宅されます。

術後経過で問題となるポイントは、やはり痛みと日常生活への復帰だと思います。
論文では、腹腔鏡手術が術後疼痛(痛み)で切開法より優れていると報告されています。
また、切開法は通常腰椎麻酔(下半身麻酔ともいわれます)で行われます。
一方腹腔鏡手術は全身麻酔です。

腰椎麻酔は、翌朝まで自力での排尿は困難であり入院が必須ですが、全身麻酔では麻酔が覚めた時点(手術終了後すぐに目覚めます)から排尿は可能です。
そのため日帰り手術が可能となります。
これが非常に大きなポイントで日常生活への復帰は、腹腔鏡手術が優れています。(論文報告あり)

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