専門医が答える鼠径(そけい)ヘルニアQ&A

74歳の男性です。
鼠径ヘルニアの手術(切開法)をして1週間余りが経過します。
最近、手術創(7mm程度)部分が創に沿って尾根状に腫れてきました。
単なる腫れで自然に治まるのか、それとも挿入したメッシュが、ズレにより弛(たる)んできたのか心配です。
なお、手術したところに違和感が残っていますが、痛みはかなり緩和しています。
この腫れの原因として何が考えられるか、また心配はいらないか、教えていただけませんか。

鼠径ヘルニアの手術に限らず、術後は組織が修復していくために一旦硬くなります。これを術後瘢痕(はんこん)と言います。
瘢痕の強さや、回復までの期間は個人差がありますが、経過観察で大丈夫です。
当院では、術後1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年で受診していただき、傷のチェックや患部の状態を確認します。
術後6ヶ月時点で、傷の違和感を感じる方は11.0%、1年では5.7%というデータになります(※当院のデータ)。