鼠径ヘルニアとは

鼠径(そけい)ヘルニアの病態について

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池田先生
今回は鼠径(そけい)ヘルニアと一般的に呼ばれることが多い脱腸について簡単に整理し、その後、鼠径ヘルニアの病態について特集します。

鼠径ヘルニアは脱腸と呼ばれる病気

鼠径 太郎
先生、一般的に脱腸のことを医学的に鼠径ヘルニアとよぶのですよね。
そうです!昔から脱腸と呼ばれていることが多かったため、脱腸という言葉が浸透していますが、医学的には鼠径ヘルニアになります。
池田先生

<脱腸と鼠径ヘルニア>

鼠径ヘルニアと言われると一般の方にはなじみがないかもしれませんが、世間一般では「脱腸」と呼ばれる病気です。足の付け根の鼠径部(そけいぶ)から腸が飛び出してくる病気のため、その状態を分かりやすく表現した「脱腸」が浸透したと考えられます。

鼠径部から腹膜、腸がはみ出す鼠径ヘルニア

鼠径 太郎
鼠径部というと足の付け根になると思いますが、あまり聞かない言葉ですね。
そうかもしれませんね。鼠径部というのは男性が産まれる直前に精巣(睾丸)が腹部から陰嚢(男性の睾丸が入ったふくろ)へと移動するのですが、その経路を移動する様子をネズミの移動に連想させることに由来しています。
池田先生
鼠径 太郎
それは知りませんでした。
ただ産まれた後の鼠径部は、鼠径管が男性の場合は精索(せいさく)、女性の場合には子宮円索(しきゅうえんさく)を通すのみで閉鎖されます。
池田先生

<鼠径部について>

鼠径部とは左右の太ももの付け根にある溝の内側にある下腹部の三角形状の部分をさします。解剖学的には下腹部の中央部、恥骨部の左右の外側をいいます。鼠径部の深部には鼠径靭帯(そけいじんたい)があります。鼠径靭帯の内側寄りでは、鼠径管が通ります。鼠径管の長さは4~5センチメートルで、管の内部には男性では精索、女性では子宮体から出ている子宮円索が通っています。

※ 精索
精管、約4mmの血管、神経、リンパ管などをおおう3層構造の膜です。
※子宮円索
子宮円靭帯とも呼ばれ、子宮と大陰唇(だいいんしん)の結合組織にいたる靭帯です。

鼠径 太郎
そのような鼠径部の病気の鼠径ヘルニアはどのような状態になったことをいいますか?
まず鼠径部というのは先ほど話した通り左右の太ももの付け根、足の付け根の部分を指します。また病名に含まれるヘルニアとは簡単に言うと『はみ出すや飛び出す』ことを意味します。
池田先生
鼠径 太郎
『はみ出すことや飛び出すこと』をヘルニアというですね。
そうです。ヘルニアというと椎間板ヘルニアが有名ですよね。椎間板ヘルニアは背骨の骨と骨の間にある椎間板の一部が飛び出して神経に当たり、痛みやしびれなどが生じる病気です。
一方で『鼠径ヘルニア』は足の付け根の鼠経部から、腸が飛び出してしまう状態をいうわけですね!
池田先生

<鼠径ヘルニアの病態>

病名に含まれる「鼠径」とは左右の太ももの付け根、足の付け根の部分を指します。また「ヘルニア」とは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態を指します。「鼠径ヘルニア」とは足の付け根の部分の鼠経部に、本来はお腹のなかにあるべき腹膜や腸がはみ出てしまう状態をいいます。具体的には鼠径部の内側の腹壁の弱い部分に強い内圧がかかったために、腸管などが鼠径管を抜けて皮下に脱出する状態をいいます。

鼠径(そけい)部の位置

鼠径ヘルニアの病態のまとめ

鼠径 太郎
鼠径ヘルニアとは足の付け根の鼠径部から、本来はお腹の中にあるべく腹膜や腸がはみ出てしまう病気でしたね。
そうです!
池田先生
鼠径 太郎
でも先生、本来はお腹のなかにある腸が、なぜはみ出て外へ飛び出してくるのでしょうか?
それは、主な原因として加齢によって内臓や組織を支えている腹壁(お腹の筋肉と筋肉の膜)が衰えることにあります。
このあたりは話せば長くなるので、次回以降にまた取り上げましょう!
池田先生

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